先日、陳旧性顔面神経麻痺の静的再建術を行いました。

 

 

患者さんはとても丁寧で上品な元栄養士さんで
滋賀県の病院のDrから県を超えてご紹介頂きました。
一番のお悩みは前頭筋の麻痺のため眉が十分拳上できず左右非対称となり、またそのため患側の上まぶたがかぶりものが見づらいとのことでした。

 

 

術前診察にて眉毛の左右差とともに上眼瞼の皮膚弛緩もある程度とる必要があると判断し、今回はこれを同時に行うため、

眉毛下切開よりの眉毛位置修正と眼瞼皮膚弛緩の修正を同時におこないました。

 

 

今回の手術でとくに注意したのは、眉毛の拳上程度と弛緩した眼瞼皮膚の切除量でした。

 

眼瞼は閉眼筋(眼輪筋)と開眼筋(眼瞼挙筋+ミューラー筋+前頭筋)のバランスで開閉瞼を行っているため、弱くなっている閉瞼筋とのバランスを崩さないように慎重に切除量を設定しました。
(切除量が多すぎると目を開けるときは良いが、閉眼時に眼が開いたままになってしまう為)

 

 

ぎりぎり閉眼に支障のないバランスで手術を行い、
まだ術後2日目の腫れのある状態ですが、
「まぶた~おでこが何かすっきりしました!」と言っていただけ胸をなでおろしました。

 
次回は抜糸ですね、
腫れが引いてきたらもっとすっきりしてきますよ(‘-^*)/

 

 
形成外科 北山通り松ヶ崎クリニック(現:四条烏丸松ヶ崎クリニック)
西村 雄