当コラムは “形成外科専門医と考える”シリーズの

美容外科(美容整形)で失敗しないための4つのポイント(その1と2)

美容外科(美容整形)で失敗しないための4つのポイント(その3)

の続きです。順番に読んでいただけるとスムースです>>


 


前回までに考えてきたとおり、

美容外科(美容整形)治療における失敗には以下の4つの側面があります。

 

1.治療の有効性

 

2.治療の安全性

 

3.治療の技術

 

4.センス(美的感覚)

 

 

最終回では「センス(美的感覚)」について考えてみます

 

 

ここで質問です

「手術を受けるとき、有効性と安全性が確立している手術法でかつ一流のドクターが高い技術レベルの仕事をしたとき,その治療は満足のいく結果になるでしょうか?」

 

>> 答えは、

A) あなたが受ける手術が形成再建外科であれば高い確率でYESです。

治療のゴールが正常な解剖や機能の回復という明確なものである病気や外傷の治療では技術レベルの高いドクターに治療を任せることが高い確率で最高の結果につながります。

 

 

B) では美容外科(美容整形)ではどうでしょうか?

たとえばどこか夢の世界であなたが大富豪で

「金に糸目はつけないから最高の絵を邸宅のリビングに描かせてくれ」

とあらゆる画家を召喚できる夢の世界の画商に頼んだとします。

画商は「わかりました!最高の画家に最高の絵を描かせましょう」と約束しました。

そして絵が完成しました⇩

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画商はピカソに絵を描かせていました。

美術史上最高レベルの画家の渾身の作品です。

しかしあなたがその絵をどう思うのか、、、

 

「素晴らしい。期待を遥かに上まわる絵だ!!」かもしれませんし

「確かに素晴らしい絵画ですが、本音を言うと私にはしっくりきません」かもしれません。

 

美術の評価においてはある人にとっては最高な作品も観る人が変わればそうではありません。

 

美容形成外科治療にも少なからずそのような側面があります。

つまり正常解剖+機能回復という目標がはっきりしている形成再建外科では誰に対しても明確なゴールがあるのに対して、美容外科ではそのゴールが一人一人異なります。

 

Epilogue

”形成外科専門医と考える美容外科(美容整形)治療で失敗しないため4つのポイント”の結論です。

 

治療の有効性・安全性・技術的バックグラウンドが確かであることを前提として、

良い結果を得るために最終重要なことは「医師の美的センス」と「あなたの美的センス」が合っていることです。

わかりやすく言うと、

「医師が良いと思う目をあなたも良いと思う」

「あなたが良いと思う鼻を医師も良いと思う」

 

すなわち術前のカウンセリングで術後の仕上がりに対するイメージを共有でき、

かつ医師にそのイメージを具体化できる想像力とテクニックがあってはじめて満足のいく結果が期待されるのです。

 

逆に言えば手術や施術の結果,あなたが最高に満足していれば

それがあなたにとって最高のDrです。

 

 

 

四条烏丸松ヶ崎クリニック

西村 雄