皆様からお問い合わせの多い治療について
少しづつ本ブログでも紹介していきたいと思います。

今回は腱膜性眼瞼下垂です。

眼瞼下垂とは文字通り目を開けようとしているのに
十分にまぶたが開かない病態です。

眼瞼下垂には様々な原因がありますが、
エイジングとともに最もよくみられるのが、
眼を開ける筋肉 “眼瞼挙筋”の腱膜のゆるみにより生じてくる
“腱膜性眼瞼下垂” です。

これは高齢の方になるとかなりの頻度で見られてくるのですが
(昭和の時代の歴代総理大臣などほとんどそうですね)、
最近はコンタクトレンズの普及等に伴い、早ければ20-30代の方にも見られるようになってきました。

また眼瞼下垂研究の第一人者信州大学松尾教授の精力的な業績により、眼瞼下垂が視機能の障害だけでなくミューラー筋のセンサーを介して交感神経の緊張状態を引き起こすことにより、
肩こりや頭痛・不眠などの様々な症状を引き起こす可能性があることがわかってきました。

 

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Master Techniques in Facial Rejuvenationより

 

上図の赤矢印が挙筋腱膜、
これが加齢等で緩んでくると眼を開けようとする眼瞼挙筋の力が
十分にまぶたに伝わらず眼が開きにくくなり、
その深層で交感神経のコントロールにより眼の開き具合を調節している
ミューラー筋(青矢印)に過剰な負担がかかって来ることにより、
交感神経の緊張状態が生じてきます。

 

→挙筋腱膜前転術はこの緩んだ(場合により瞼板からはずれた)挙筋腱膜を正常な位置へ戻し、挙筋とミューラー筋がバランスよく働いて開瞼する生理的な状態に回復する機能再建手術です。

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Master techniques in Facial Rejuvenationより

 

 

眼瞼下垂手術(挙筋腱膜前転術)-Page2 へつづく

 
北山通り松ヶ崎クリニック (現:四条烏丸松ヶ崎クリニック)

西村 雄